「custom」について

 

先日webサイトにcustomというページを新たに書き加えました。

 

一般的にはオーダーメイド。
日本語なら別注もしくは特注ということになるのでしょうが
何ゆえにcustomなのかということを少しご説明したいと思います。

 

 

椅子は箪笥や食器棚・テーブルなどと同じく「家具」の一つです。

 

例えば収納家具。
床から天井までのサイズで扉はどんな形状でなど
事細かに希望を盛り込むことが出来ます。
素材が許せば細かいディテールまで思い通りに
オーダーメイドで製作可能です。

 

しかし椅子だけは少し事情が違います。

 

椅子が他の家具と決定的に違うのは
身体を補助する道具であるので常に身体が触れているということです。
使用中は苦痛を感じることなく確実に身体を支えなければなりません。

 

身体を快適に支えるには根拠のある人体寸法を
落とし込んでデザインされている必要があります。

 

 

椅子のデザインは
この人体寸法と美しさの妥協点を探すことの繰り返しです。

 

加えて使用中に壊れる事故は
絶対に避けなければなりませんので強度も必要になります。

 

アイデアをスケッチした段階で美しいフォルムであっても
人体寸法を落とし込むと全く成立しない・・・。
ということが起こるのが椅子のデザインなのです。

 

著名なデザイナーであっても何度も試作を繰り返して一脚を完成させます。

 

となると現実にオーダーメイドでの製作は
ハードルの高いものなってしまいます。

 

理想の座り心地に近づけるにはどうすれば良いのか?

 

それが既存のデザインに若干の手を加えること。
「座高・座面の奥行き・背板の高さ」を合わせる
「custom」ということになります。

 

わずかな仕様変更でもその違いの効果はとても大きいものです。

 

オーダーとカスタムと
とるに足らないことかもしれませんが
より正確に製作側の思いをお伝え出来ていれば幸いです。