コニシ製品のテスト (ラミネートの場合)

 

椅子についての楽しい話をとあれこれ考えていたら
前回の更新から2ヶ月以上経過してしまいました。

世の中そんなに楽しい話はたくさんありません(笑)。

 

昨年末にひっそりと営んでいるうちの工房に
接着剤のコニシの営業の方がいらっしゃいました。
ちなみに大阪の道修町にある古民家が
まさかあの接着剤の小西家だとはご存じない方もいるでしょう(余談)。

 

話の中で現状での接着剤に対して何かリクエストは?
と言う話題になりました。

 

うちは椅子の曲げ加工の際にラミネートを多用するのですが
その際にプレス型から外した時の曲げ戻り対策になる接着剤はないものか?
という相談をしたのです。

 

もちろんラミネート専用という接着剤はありませんので
現行の多数有る商品のラインナップから
これはというサンプル(CB10N)を頂くことになりました。

一般的には木工ボンドはホームセンターで手に入る
白いものが頭に浮かびますが、コニシのサイトを見ると
使用目的に合わせ相当数の接着剤があります。

 

木工用接着剤は水性のものを使うのですが
接着剤に含まれる水分が乾燥後の材に影響するので
今回は水分の少ないCB10Nでテストしてみようということです。
サンプルを頂いてからその後数週間を経て
実際に手持ちのコニシ製品と他社製品
今回サンプルとして頂いたもの計4種類の接着剤を使って実際に実験してみました。

 

今回は条件を揃えるためにブナの共木で
厚さ3mmを4枚重ねてR400の曲木にすることにしました。

 

 

今回使用した接着剤は通常使用している「HG4」。

 

それより速乾性のある「HG6」
(気温の低い冬には速乾性の高い方が実用強度に達する時間が早くて便利。
夏場はその反対に接着中に乾いてしまい非常に使い難い)

 

今回初めてテストする「CB10N」
(水性ではあるが水分が少なくそれを補う為に樹脂が含まれる)

 


※CB10N 若干グレーがかっています

 

最後に「TitebondIII」
(アメリカで最もポピュラーな木工用接着剤。
今回使用したのは耐水性の高いもの)。

 

気温は15℃。湿度は50%。プレス時間は約48時間です。

 

実際に木に接着剤を塗布するとその性状の違いがはっきりわかります。

 

まずHG6は粘性もあって冬場のこの時期でも
かなり手早く塗らないと乾き始めます。
うちは作業に慣れている事も合って
塗布後2分以内にはプレス出来ますので問題ないですが
夏場にラミネートで使うのは難しいかなと思います。

 

TitebondIIIは粘性が低くとても塗り広げ易い。
少々シャバシャバした感覚がありその辺りが気になります。
カタログデータ見るとやはり水分が50%以上。
水分の多さが木に影響しないか気になるところです。

 

CB10Nは塗布の感触はTitebondIIIに近い感覚です。
より水分量は少なく感じます。
塗り延ばし易さは今回テストした中では最も良好でした。

 

 

2週間の養生後、プレスを外しました。
それぞれの接着剤がはみ出た様子を見てみます。

 

上から「HG4」「HG6」「CB10N」「TitebondIII」です。

 

 

接着剤がはみ出るということは
上手く圧がかかっている裏付けになります。
下段の「CB10N」「TitebondIII」は特に多くはみ出しています。
この2種類は粘性が低くて同じ分量を塗布した場合より
流れ出易かったのでしょう。

 

ラミネートの問題点として接着後に部材の中央が膨らむ傾向があります。
この現象は逃げ場の無くなった接着剤が残る為だと考えていました。
粘性が低い方が材の中央付近に接着剤が残り難いと思うのですが
今回のテストではどれも中央付近が若干膨らむと言う結果になりました。

 

さて肝心の曲げ戻りです。

 

「HG4」「HG6」「TitebondIII」は仕上がりが同じでした。

 

「CB10N」のみ若干曲げ戻りが少ないという結果。
画像で見てみるとほんの僅かな違いです。

 

 

これがビーチよりも曲げ難いナラや
もう少し厚い板に仕上げるなどの方法をとれば
もう少しはっきりと差が出たかも知れません。
この僅かな曲げ戻りの違いですが
椅子の背板などに使用する際に仕口の角度などに影響しますので
とても重要な「差」であると言えます。

 

ラミネートは積層ですから
板と板の間に接着層が見えると視覚的にも美しくないので
今回使用したかなり茶色がきつい「TitebondIII」は
どうなるものかと思いましたが
キッチリとプレスさえ出来れば全く問題ないことがわかりました。

 

 

接着剤は完全乾燥にかなり時間がかかるので
今後も引き続きこのテストピースを確認していこうと思います。

 

また何か変化があればこのブログにアップしようと思います。

 

あー長かった・・・。