しばらくぶりの更新です。
普段はあまり手がけることが少ない仕事をしていましたのでご紹介します。
銅版画家として御活躍されている
「東かおる」さんの個展に向けて屏風の製作に取り組んでいました。
アートピースを納める屏風に関わらせて頂くことはもちろん初めてです。
写真では解りづらいのですがフレームには緩やかなカーブを不規則につけてあり
その一部には彫刻刀でウロコ状の彫り跡をのこしています。
この仕事のお話を頂いた時に
「抑制の利いた有機的なカーブ」
で構成して欲しいとのご依頼でしたので
東さんには何度も工房に脚を運んで頂き
材の選択、彫り跡の加減等々たくさんのアドバイスを頂いて完成までこぎつけました。
材はアメリカンチェリー。
当初は材の存在感が大きすぎるのでは?と考えていたのですが
実際に作品を納めてみると背面の大島紬の藍色とも
非常に良いバランスに仕上がりました。
時間の経過とともに、より褐色へと変化していくはずです。
ガラスの上に散った水滴に淡い光が差し込んで
複雑な色合いを醸し出しているかのような作品の数々。
背面の大島紬の藍には深い深い海の底を覗いているようで引き込まれて行きます。
今回の個展ではこの屏風を中心に作品数も厳選されて
「白」の空間とのバランスをとても大切にされています。
今回、東さんに色々とおはなしを伺いアドバイスを頂く中で貴重な経験をさせて頂きました。
自分自身にいつの間にか身に付いてしまった
手かせ足かせを自覚すること事が出来たのは大きな収穫でした。
アートとデザイン、工芸は決して切り離せないところが面白く
また難しいことを認識した貴重なお仕事でした。
東さんとアトリエ凹凸の神野さん、そしてアトリエ凹凸の皆様ありがとうございました。
東 かおる 銅版画展 「屏風ヲタテル」2013.12.03~12.14 LADSギャラリー
皆様是非。