椅子の脚などで大きくカーブした形状や
テーパーが付いたデザインなど見かける事があると思います。
今は機械もコンピュター化が進んでいて
XYZの座標をプログラムすれば
3次元的な曲線も見事に加工する事が出来ます。
しかしながらそんな高額な加工機を
街の家具工房が導入出来るはずもありません(笑)。
画像は現在製作中の椅子の後脚を上からの角度で撮影したものです。
ここまで加工をするのに7種類の機械を角度や切り込み深さを替え
時に型などを使って作業しています。
工房の機械はすべて汎用機です。
真っすぐに切る。真っすぐに削る。真っすぐに穴を掘る。
「その為だけの機械をどう使いこなすのか」
はまさに椅子製作の生命線です。
何故機械を使うのか?
それは正確に同じ加工が
手作業よりも圧倒的なスピードでできるからに他なりません。
よって弱小な工房でも機械加工で
どれだけ追い込めるのかがとても重要なのです。
画像を見て頂くとわかるのですが
何か切り残しのようなものが目につくと思います。
あれは機械で追い込めなかった未加工部分です。
真っすぐに切った部分と加工しきれなかった曲線を自然なカーブでつなぐ。
こういった作業はすべて手道具での仕事になります。
ほんの僅かな加工の残りですが
この僅かな部分を仕上げるのに膨大な手道具が必要となるのです。
今は手道具での加工は本当に少ない時代ですが
この僅かな加工を美しく仕上げるために手道具を自在に使いこなせるかどうか?
は未だ大きな鍵になっています。