豊中上野坂「アンドアエレ」

 

2020年11月25日
豊中の上野坂にコーヒーロースター「アンドアエレ」がオープンしました。

この新店舗の具体的な計画をお聞きしたのは、ほぼ1年前のこと。
オーナーIさんのここまでの道のり
自分自身の想い、まさかのコロナ禍
いろいろな事が起きすぎて
少しづつ記憶を整理しながら辿ってみたいと思います。

豊中の熊野町に
「アエレカフェ」という地元で愛されるカフェがありました。
天竺川沿にユニークな扇型の建物で
椅子はモーエンセンのJ39。ルイスポールセンの照明。
チークのローテーブルがあって日当たりの良いテラス席。
打ち合わせや待ち合わせでよく利用させてもらいました。

 

オーナーのIさんに工房のカードを
お店に置かせて頂けないかとお願いしたのがきっかけで
その後ベンチやテーブル、椅子の張り替えまで
色々とお仕事頂く様になりました。

 

「アエレカフェ」がオープンして約10年過ぎた頃
Iさんには叶えたい夢があり
2016年8月「アエレカフェ」は
惜しまれつつ幕を下ろしました。
 

その後はフェイスブックやメールなどで
奔走されるIさんの様子を知ることになります。

 

本当にこの数年で物の流れや世の中の志向が
凄いスピードで変化してしていると感じます。
求められるものは何か?
世の中の人は今何に幸せを感じるのか?

 

世界中を旅して「人と関わることが好きだ」というIさん。
そんなところは「アエレカフェ」の頃から全く変わらない
そんなIさんの次のチャレンジが
もう一度豊中でカフェをオープンさせるという事でした。

 


環境に負荷をかけない。
持続可能な素材を。
便利、簡単を追求しない。
一手間を楽しむ。

 

フェアトレードのコーヒー豆を自家焙煎して提供。
食材は可能な限りオーガニックなものを。
食器は日本製の琺瑯で。

そんなコンセプトと符合するデザイン。
 

今回は古材をデザインの中心に据えることが決まりました。

エントランスのドアはナラ材
鋸挽き目を残して経年の変化を楽しもうという嗜好です。
金物類は真鍮製をベースにまとめています。
重さの問題や外部の環境変化に
対応できる知恵を絞りつつ製作。

  

エントランスを入り
内部には古材のカウンターが中央に。
各所の什器はラワン仕上げ。
アクセントに天板や扉はリノリウム 。
スツールの座面、とテーブル天板も同じく
色違いのリノリウム 。
黒皮のスチール製品は、スツールの脚
テーブルの脚、ドアに取手などすべて「PUT」の菅井君製作。

壁面はすべてポーターズペイント。
名称はペイントですが質感は左官とペンキの中間位の素材感。
もちろん天然由来の原料で重ね塗りをすることで
深みと落ち着きが出る素材です。
刷毛むらが良い風合いになり
DIYで壁を塗り仕上げることが出来ます。
「アンドアエレ」の壁もオーナー、スタッフの皆さん
総出で塗り仕上げたもの。

先日2F部分のペイントを
ワークショップという形式で一般の参加者の方々に
体験してもらうというイベントがありました。
小さなお子様と親子ワイワイと賑やかに過ごす
このコロナ禍で貴重な時間でした。

 

自分自身の手で刷毛を持って塗ってみる。
手がペンキで汚れるかもしれないし
上手く塗れないかもしれない。
でもその塗るという一手間を感じて
楽しんでもらう。

 

それがまさに「アンドアエレ」のコンセプトなのだと思っています。

 

パティシエの方々、ホールのスタッフ
皆さん優秀で若くて私のようなオッサンから見ると
本当に眩しくて仕方ない(笑)。
そんな皆さんがどんなお店に育てていくのか?
本当に楽しみで楽しみで仕方ありません。

 

そして地元愛の様なものが自分の中にあると
今回はっきりと気づきました。
「アンドアエレ」のようなお店が出来たこと
そのオープンの瞬間に関わらせて頂いたこと
オーナーのIさんには心から感謝いたします。
ありがとうございました。

  

今回の家具工事でお世話になった
イチキューモブラーのハザマさん
PUTの菅井君
現場施工の際にお手伝い頂いた
(株)大阪インテリアの大工A君、K君
古材の扱い関して的確なアドバイスをくれた
レッドバーンウッドの古川さん
ポーターズペイント取扱店インテリア末永の末永さん
店舗設計(株)成美の山村さん

 

皆さん本当にありがとうございました。
またどこかでご一緒出来たら嬉しく思います。

 

豊中周辺にお住まいの皆様
コロナ禍で外出もままならない日々ですが
テイクアウトも充実しています。
是非「アンドアエレ」の焙煎したての
香ばしいコーヒーを片手に外に出ましょう!
美味しいことは間違いありません。