after covid19


まさかの3月以降のコロナ騒動。
2020年が半分近く過ぎてしまった自覚もないままです。

今年はオリンピックイヤーで
東京にはしばらく行けないなと思っていたのですが
全く別の事情で県をまたぐ移動さえも難しいことになろうとは
思っても見ませんでした。


家具製作の仕事も例外なく影響があります。

幸い以前からオーダー頂いている仕事は
キャンセルになることは少なく
製作も進めさせて頂いているので
毎日淡々と工房で仕事をしています。


もちろん長期的な不安はあります。

あまりに大きな世の中の変化は
自分の力でどうにか対処出来る範疇を超えています。

今は目の前のやるべきことを
日々続けていくことだと思って
淡々と仕事を進めています。


こんな先の見えない情勢のなか
心強く感じることがあります。

友人や知人、仕事での仲間(特に自分よりも若い人達)に
しっかりと自身の仕事の価値を提案して
それが支持されている方が多くいることです。

現在の評価はそれまでの仕事で判断される訳ですから
今支持されている方達の過去の仕事が
いかにブレずに積み重ねられてきたかの証でもあります。

ひるがえって自分自身はどうなのかと
色々と考えをめぐらせることが増えました。


仕事の合間に少しづつ
これまでの椅子の型板など整理しています。

そんな型板や治具の数々をずらっと並べてみると
自分自身がどう言う椅子を
どんなデザインを志向してきたのかよくわかります。

自分自身がデザインしたもの。
製作のみ依頼されたもの。
デザイナーとの仕事。

採算ということだけで考えると
うちの様な工房で椅子を作り続けるのは
正気の沙汰ではない(笑)のですが
こうしてこれまでの仕事を
実際に目に見える形で並べると
些細な数字のデータがしっかり経験値として
自分の頭と手に記憶されていることが確認出来ました。


「コロナ収束後に世の中は変わる。」

業種は違っていても先を見据えている人達と
話をすると必ずこの話になります。

椅子製作、家具製作も変わるはずです。

今までなら
上流から下流へと川の流れに乗れたら
無事海まで流れ着けるはずだったのに
これからは突然、予告なしに川が干上がることが
あるのかも知れません。

これまで以上に製作規模の大小問わず
メーカーとしての姿勢を厳しく見られるでしょう。

効率や採算を考えたら酷くロスが多いと思っていた
製作方法や知恵のようなことが
これからとても必要になる予感がします。

新木工房としての製作スタンスはこれからも変わりません。

ですがこれまでの仕事のやり方に加えて
椅子や家具のユーザーの方々だけでなく
デザインや製作に携わる方達にも
今までより積極的に技術的なことも提供出来ればと
考えています。

より椅子や家具をめぐる環境が改善されていくこと。
それが何よりだと思っています。

自粛期間はもうしばらく続きますが
今日大阪は新規感染者がゼロだそうです。

少し光が見えてきた気がします。もう一息!